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東京エフニブ

界隈

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α7II summaron 35mm f3.5 summar 5cm f2

処方箋を貰っていつもの薬局まで歩いて行くと、薬局は閉店していた。

入口の扉には、地図が書かれた貼り紙があった。

移転先はすぐ近くだった。

かつては喫茶店があった場所だった。
記憶では10年くらい前に閉店していた。

また昔のことを思い出した。

ーーー

高3の5月の連休が明けた頃、4月に受けた全国模試の結果が戻ってきた。

数学のT先生が、いまからでも頑張れば大丈夫だよとクラス全員に向かって言った。

T先生が教室を後にした。

誰かが言った。

 俺達って、やっぱり馬〇なのかなぁ、、、

他の誰かが言った。

 なんだ、今ごろ気がついたのかよ、、、

自分は、みんなも結果が良くなかったのか、と思った。

誰かが笑い始めた。

自分も可笑しくなって笑い始めた。

クラス全員が笑った。

気がつくと、みんなが爆笑していた。


其の日の放課後、久しぶりに写真部の部室に顔を出した。

OBのU先輩が来ていた。
何を話したかは覚えていないが、帰り道に喫茶店に連れて行ってくれた。

先輩が、好きなコーヒーを頼んでいいよ、と言ってくれた。

同級生のHは、ごく自然な感じで コロンビア と答えた。

自分は、インスタントコーヒーしか飲んだことが無かったので、メニューを見て、
ネスカフェという名前のストレートコーヒーを探したが見つからなかった。

先輩は、ここのキリマンは旨いよ、と言った。

自分は、再びメニューに目を通してキリマンを探したが見つからなかった。

Hは、キリマンジャロもいいですね、と先輩と会話をしていた。

キリマンジャロ、、、キリマン、、これかぁ、とやっと理解した。

自分は、先輩にキリマンジャロにします、と答えた。

コーヒーが運ばれてきた。

ひとくち飲んだ。

今ままでのコーヒーの感覚とは異なる、何か突き抜けた感覚を感じて飲んだ。

とても旨かった。

ーーー

それから長い時間が経過してから、自分でコーヒー豆を挽いてストレートコーヒーを
飲むようになった。

あの時の 何か突き抜けた感覚 とは、キリマンジャロのコーヒーの酸味のことであった
と思う。

あの大爆笑の後に飲んだキリマンジャロか。そして突き抜ける感覚である酸味。


大切な記憶だと思っている。




























by f2view | 2020-02-29 21:01 | 東京