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東京エフニブ

光景

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α7II Summarit 50mm f1.5


昨日は、ギャラリー冬青で開催されている、写真家 山下恒夫さんの Fragments of journey 1993-1997
を見てきた。

ヨーロッパを旅して、作者が見た街ということが伝わってきた。

プリントが美しかった。
二枚目のプリントで、黒の階調がゆっくりと落ちていって、見ていると自分もどこまでも目で追いかけてゆく
ような感覚になった。

そして、三枚目からはこの階調で圧倒されながら見ていった。

最後は、とてもゆったりとした時間が流れている感覚になった。

山下さんとお話しした。
展示をする作品全体としての階調の統一感の話。さらに写真集にまとめた場合のその連続性について。
また、当時の一日のフィルムの撮影本数の話など、とても有意義であった。


其の後は、中野まで撮影しながら歩いた。

歩きながら、あの日のことを思い出した。

ーーー

あの日は、夕方になっても電車は止まったままだった。

自宅まで10km 以上の者は会社で待機するように、との指示が出ていた。

19時になってから、総務課から水500ccと乾パンが支給された。

帰ろうか、と思った。

この頃は、たまに帰宅ランを行っていたので、距離感はわかっていた。

勿論ランニングシューズは無い。
スーツに革靴であったが、この日は柔らかい革の靴であった。

帰ろう。

正門を出た。いつものコンビニまで歩く。

飲料水とパンとお菓子はすべて売り切れていた。

唯一、飴が売れ残っていたので買う。


歩き始める。

街灯は消えていた。

愛用の吉田カバンのストラップをタスキがけにしてから、キュッと締めて体に密着させる。

革靴のままゆっくりと走り始める。

体が軽い。

その翌週は荒川フルマラソンにエントリーしていたので、フルを走りきる体は出来ていた。


暗い道を走って、環八通りに出た。

環八は、街灯は点灯していたが信号機は消灯していた。

車は走っていなかった。

左側の車道を走ることにした。

車も歩行者も居ない。

街灯が、道沿いに遠くまで見えていた。

聞えてくる音は、自分の革靴が路面をたたく甲高い音だけだった。


246号線が見えてきた。

246号線では車が走っていた。警察官が交通整理に出ていた。

すこし走るペースを上げて環八を北上する。


環八にも車が走り出したので、歩道を走る。

隣接したスーパーマーケットは、場違いに明るく見えた。

甲州街道が見えてきた。

ここから車も歩行者も急に増えた。

みんな無言だった。泣いている人もいた。


二時間半で家に着いた。


この日に見た風景は、今でも忘れられない。







 









by f2view | 2018-03-11 16:20 | 東京